君と見た空

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『いや…な あいつの事なんだけどな』 あいつ…って 『翠ちゃん?』 『…ああ…』 『何…? 翠ちゃんがどうかした?』 唐揚げを摘まみながら 鮎さんの顔を伺って …ん?…これ レモン掛けすぎだよ… 思わず眉間にシワがよる 『…んな顔するんじゃねーよ… 俺は翠の事なんて何とも思ってねぇから』 …は? 『…なんの事?』 『…なんの事…って 今、翠の名前出したら 睨んできたじゃねぇか』 『…え?…あ… 違いますって これですよ …レモン掛け過ぎ』 どうやらあまりにも酸っぱくて 無意識に鮎さんを睨んでたみたい 『紛らわしい事するんじゃねぇよ…』 『鮎さんが勝手に勘違いしたんじゃないですか』 『…ほんとに勘違いか?』 …どういう事? 意味がわからないんだけど 『翠、女らしくなったよな?』 『うん、思ってた以上にね 仕事も完璧だし 昔の頼りない翠ちゃんじゃないみたいですよね』 『…だな でも あいつだって まだうちの病院にきて間もないだろ 色々苦労もあるはずだし 俺達で助けてやれることがあれば 助けてやらねぇとな…って事だ』 『確かにね ああ見えて甘えたがりだし?』 時々見せる 子供っぽい所 翠ちゃんのそういう所 結構好きなんだよね 『それに…』 ……?
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