君と見た空

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オペが始まって 約二時間が過ぎた ここまでは予定通り 『土谷さん… ここ…押さえてもらえますか』 『…ここだな』 『悠太 心電図はどう?』 『変わりねぇよ …大丈夫だ』 『遠藤くん…』 『わかっている』 細かく指示を出しながら 慎重にオペを進めて 出来るだけ翠ちゃんの心臓に負担がかからないように でも…時間がかかればかかる程 彼女に対する負担は大きくなる 『…純 少し時間が押してるが… どうする?』 『うん…わかってる ここの処置を先に…』 『…純!! 心拍が乱れてきてるっ!!』 ……っ!! 『血圧は!?』 『上が72、下が49!!』 時間がないのは 初めからわかっていた 『鮎さん…っ… ここの処置任せていいですか? 僕はこの部分の切除に 入りますから…っ』 『わかった』 『血圧また落ちてきてる!!』 『…心拍も異常数値に入った』 悠太と遠藤くんの声に メスを走らせる手も早まる けど 『…こりゃ…不味いぜ もう少し時間がかかりそうだ』 『…ですね』 全ての事が上手く運ぶなんて 思っていなかった ある程度の予測はしてた 今の状況は…よくない この状態を持ち直す事ができれば オペは成功する 後は… 君の心臓が頑張ってくれれば…っ… 翠…っ もうすぐだから…っ 誓ったでしょ 二人で 必ず助けてあげるからって… 必ず帰ってくるからって… 誓ったじゃない…っ…!! 『純っ!!心拍が…っ!!』 ……っ… 翠…っ!!
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