君と見た空

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この病院の職員食堂は かなり魅力的 栄養バランスもよくて メニューの種類も豊富 美味しくて毎日お世話になってる …今日は何しよーかなー… 財布を握り締めて メニューの前を行ったり来たり 『翠っ…決めた?』 突然クイッ…と腕を引っ張られて 後ろに転びそうになった身体を必死で持ちこたえた 『樹理っ!! 危ないってば~… コケるとこだったよ…』 『ごめんごめん でも、さすが翠 運動神経抜群だね』 『おだててもダメ』 『ごめんってば』 謝りながらも笑顔の樹理は 医事科の職員 午後からよく ナースステーションに来るから 自然に仲良くなった 今では一番の友達なの 今日は二人でクリームのパスタにしようって 運ばれてきたパスタをフォークに巻き付けてパクリと頬張ると 思わず顔が綻ぶ クリームが濃厚で美味しくて凄く幸せ 『…ねぇ樹理 少し聞いてもいいかな?』 『…ん?何なに~』 『…霧生先生ってさ やっぱり人気ある?』 医事科の樹理は 病院内の事に関して かなりの情報通 ドクター、看護師 食堂や売店のお兄さんの事まで なんでも知ってる だから 今、一番…気になる事 聞いてみたくて 『霧生先生? あー…人気あるね ほら…整形の女医がいるじゃん 昨年はあの人と噂あったし 今年入ってきた 検査科の新人さんも狙ってるって聞いたよ あ、でもこの間 第三病棟の看護師がフラれたって言ってたなぁ…』
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