君と見た空

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『翠ちゃーん』 職員玄関で靴を履き替えてる所に 小走りで駆けてくる蘭ちゃん 『今日、山谷さんの所に飲みに行こ? 悠太くんや鮎川先生、永瀬さんも一緒なんだけど』 あちゃ…今日は… 『あー…ごめーん… 今日は先約有りなんだ』 『先約?樹理ちゃん?』 『ううん、霧生先生』 『霧生先生!? 何なにぃー?デート?』 目を輝かせる彼女は なぜか物凄く嬉しそうで 『いや、デート…ではないかな なんてゆうか…ご褒美?』 『ご褒美…? デートじゃなくて?』 あからさまに残念そうだけど ごめんよ、蘭ちゃん 期待に添えなくて 『デート…なら色気あるんだけど 私と霧生先生じゃ…ねぇ?』 『そうかなぁ… 私から見たら 二人でいれば恋人に見えるけど?』 はい?…恋人? 何を言い出すんだろうこの子は 『ないない、絶対ない 大体私、独占欲強いから 霧生先生の あの交遊関係我慢できる自信ないし』 霧生先生の過去を樹理に聞いて 更に確信した ショックよりも やっぱりって思ったから 私達にピンク色の未来は確実にない 『あー…確かに 私も無理かも 悠太君があんななら ヤキモチ妬きすぎて焦げるね』 『焦げるっ?!』 悠太君愛されてるね… 幸せにしてあげてね… 『んー…仕方ないから また今度ね 霧生先生に宜しく~ …あ、そうそう』 『何?』 『霧生先生に会うなら 【今日、CT撮った先生の患者さん もう異物は見当たりませんでした】 って伝えて?』 『ああ…キーホルダーのチェーン誤飲した子?』 『うん、見当たらなかったからトイレで出たんじゃないかって 霧生先生、外科に呼ばれてていなかったから 他の先生に確認とって 帰って貰ったの』 『そう、わかった 伝えておく じゃ…私一度帰らなきゃいけないから行くね』 『このまま行かないの?』 『うん… 霧生先生が可愛い服に 着替えて来いって』 『…………… それはデートじゃないの?』 『…違う…と思う』 違う…よね…?
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