君と見た空

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暖かかったお店から出た途端 耳にかかる冷気に 寒さで身体が震える 同時に 隣を歩く霧生先生に 何を言われるのか …怖くて… 『…で…? 用事って…?』 『………………』 『…嘘…?』 ………………… 『…嘘ついてまで 僕の隣にいたくなかった…って事?』 …ちがっ…っ!! そうじゃないのに 霧生先生の低い声と 合わせて貰えない視線に 上手い言葉が…でてこない そしてまた …俯いてしまう 一度俯いてしまった顔は なかなか上げる事が…できなくて でも このままじゃ… 『…私…馬鹿だから… なんで霧生先生が怒ってるのか… わからないんです すみません…』 だって こんな状態…堪えられない いつだって 一緒に笑ってくれた霧生先生が当たり前だと思ってたのに 『…私が…あの日 飲めないお酒を飲み過ぎたから…?』 思い当たる原因は それしかなくて 『…調子に乗りすぎた…から?』 ……………… ……どうして何も言ってくれないんだろう だんだん…切なくなってきて 心も折れそうになる もう…ダメだ 『やっぱり私一人で帰…』 『どれも不正解』 ………え? 不正解…?
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