君と見た空

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━7━ 『すみません~ お待たせしちゃいました?』 『うん、もう30分も待ったよ』 『ええっ!! すみません…っ!!』 嘘っ… 約束は一時だったのに だってまだ一時五分前… 『…冗談だよ 僕も今来たとこ』 ニコッ… 満足そうに笑う霧生さん …やられた 学生時代も 毎度毎度このパターンで 騙された 何度騙されても学習しない私を わかっていて騙すんだからほんと達が悪い 『…翠ちゃんて… ほんと弄り甲斐があるよね 全然成長しないとことか』 『霧生さんて… 全然変わりませんよね 人を弄る事を生き甲斐にしてるとことか』 『…なかなか言うようになったじゃない』 『…お陰さまで』 待ち合わせの大学から近いカフェテリア よくここで珈琲奢ってもらったっけ ここで珈琲飲んでると 必ずいろんな女の人に声をかけられた 【純っ…この子彼女?】 【違うよ?…妹】 【嘘ばっかり そんな話聞いたことないし!!】 【…じゃあ従妹】 【じゃあ…って何よ!?】 そんな掛け合いを見るの しょっちゅうだった 『ほら…翠ちゃん 何ボーッとしてるの 行くよ』 先に歩き出す霧生さんの背中を見ながら なんだか…昔に戻ったみたい サークルに顔を出すのは久しぶりでワクワクする 良さん…元気かなぁ
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