君と見た空

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準備を終えて 道場に戻ると 道着に着替えたからか 気持ちも引き締まる こんな気持ち…久しぶりだな… 大きく息を吸い込んで ゆっくり吐き出しながら 昔のままの空気に心が穏やかになるのを感じて 『久しぶりの此処はいいだろう…?』 良さんの言葉に 霧生さんと二人 思わず顔が緩む 『…さて…と じゃあ…翠ちゃん? 約束通り 試合、しよっか』 『はい…っ… 負けませんからね!!』 『言っておくけど ペナルティは…無しね』 『…え…』 ペナルティ無しって… そんな…っ… でも 『…もちろんです …その代わり!! 私が勝ったら… またステーキご馳走してくださいね』 『…勝ったら…ね? 試合形式は的中制ね 点数制だと荷が重いでしょ?』 …この顔!! 負けない自信が満ち溢れてる…っ… 悔しいなぁ…もう 『…わかりました』 『どっちが先攻? 君に選ばせてあげる』 『…じゃあ…私後攻で』 『…了解』 スッ…と歩き出して 定位置に着く霧生さん 二足開きの足踏みから 正面打ち起こし そして 引き分けから 会の体勢に繋ぐこの動作が 優雅…ってゆうのかな 昔から… 他の誰より綺麗だった 『何だかんだ言っても …さすが…純だな』 隣で良さんが笑う やや傾斜から ゆっくり 的に狙いを付けて 矢を放つと ダンッ…という矢の音 矢は 中心からやや外れてるものの しっかり的を射ている 『はい…次は翠ちゃん』 周りを囲む学生達に 緊張…する 落ち着いて… 落ち着いて… …ダンッ… きた!! 確実に霧生さんより 中心に近い 『…久しぶりのわりに 腕は鈍ってないみたいじゃない』 『はい…っ』
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