君と見た空

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でもその後 『『おお…っ!!』』 続けて射た霧生さんの矢はほとんど中心 点数制じゃないのに…っ そんなとこ狙われたら ますます外せない のに 無意識に力が入ってしまった私の矢は 確実に乱れて ギリギリ的を射た 危ないものが続いた それなのに 霧生さんの放つ矢は 次々と極中心を射ている 外しそうな気配すらない このままじゃ…負けちゃう …ダンッ… …………… …え… 霧生さんの放った矢が 的を横切り 壁を突き刺した 『あーあ…外しちゃった』 ペロッ…って舌を覗かせて 苦笑いを浮かべる霧生さん 『次に翠ちゃんが決めれば 君の勝ち …プレッシャーに勝てるかな?』 ……………… 無理だ…っ 只でさえ矢が乱れてるのに 絶対外すっ… 『…霧生さ…』 『試合放棄なんてしないよね』 ……………… 『…はい…』 仕方なく 会の姿勢をとって 正に矢を放とうとした その時 ♪♪♪~ ……!? 『病院の呼び出しだ』 『え…っ』 【はい…霧生です はい…、はい… …わかりました…すぐに戻ります あ…翠ちゃんなら ここにいますよ 連れて行きますね】 ……急患…? 電話を切った霧生さんの顔が 一瞬で固いものになった 『…残念だけど 翠ちゃんとの試合はお預けね 近隣の工場で爆発事故だって すぐに病院に戻るよ チーム全員集合かかってるから』 …っ… 爆発事故!? 『怪我人はどのくらいですか?』 『はっきりわからないけど十数名だって …良さん、すみません 急患が入ったので僕達戻ります また来ます』 『わかったよ 待ってるからね』 霧生さんは軽く頷くと 私の背中をポン…っと 叩いてニコッ…と笑った 『早く着替えて タクシー捕まえるよ 絶対死亡者出さないからね』 『はい…っ』
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