君と見た空

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━8━ 『霧生先生来ましたっ!!』 病院に着くと 玄関から看護師の声が響いて 廊下には 処置室に入りきらなかった患者が溢れている 『純!!おせーよ!!』 壁際に集められた患者さんを 一手に引き受けている悠太君 ちょっ… 思っていた以上に患者の数が多くて 『純!!翠!! 土谷先生と鮎はもう重症患者のオペに入ってる!! オペ室はいっぱいだ!! 純はここで外来オペ 土谷先生の指示だ』 『了解 永瀬さん、この患者さん こっちベットに移して? 翠ちゃんは オペの準備お願い それから オペの準備ができるまで そっちの子供の手当てしてるから 準備ができたら呼んで』 『はいっ…』 霧生先生の指示を受けて 火傷患者のオペの準備をする 外来でできる範囲のオペ 正直 この患者はレベル4 外来では…無理じゃ… 『準備できた?』 子供の手当てを終えた霧生先生が カーテンで仕切られただけのベットに入ってきた 『はい… でも…っ先生… この患者さん外来では…っ』 『…やるんだよ オペ室はいっぱい 火傷は時間との勝負 他に方法がないのはわかってるでしょ 早く始めるよ』 ……そうだ そんな事言ってる場合じゃない こうしてる間にも 次々と患者さんは運ばれてくる 『すみません…っ』 『翠ちゃん しっかりサポートしてね ここで チームのメンバーは 君と僕しかいないんだから』 霧生先生の言葉で チームに加わっている事の重大さが身に染みる 『始めます』
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