君と見た空

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外来に溢れている患者を 八割程処置し終えた頃 『純、ここは俺達に任せて お前はオペ室に行けって!! 土谷先生が呼んでる!!』 『わかったよ 患者がもし急変したらまた呼んで』 『ああ…っ』 『ほら…っ… 翠ちゃんもいくよ』 『私も…ですか?』 『うん、オペ看が足りないはずだから』 『わかりましたっ!!』 霧生先生の後に続いて 廊下を全力で駆ける 手術棟に入ると 順番待ちの患者さんに 遠藤さんが麻酔を準備をしている所だった 『もう十分もすれば 麻酔が効いてくるはずだ 鮎の所は他の麻酔医に任せてきた 俺はあんた達と この患者のオペに入る』 『うん、そうして この患者の容態は?』 患者の瞳にライトを当てながら 脈を測る霧生先生の低い声 『火傷のレベルは4 意識不明 しかも…骨盤骨折 最悪のケースだ』 骨盤か… 意識不明は…危険なサイン 【輸血の血まだ…っ?】 【心拍数、落ちてます!!】 オペ室と廊下を 看護師が慌ただしく行き来する 『土谷さん達も大変そうだね かなり重症みたいだけど』 『ああ… 土谷先生の方は爆風で飛ばされた患者だ 火傷も酷いが 骨折も何ヵ所かある』 『長いオペになりそうだね』 『ああ…』 【霧生先生!! オペ室準備できました!!】 『…行くよ』
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