君と見た空

『回診だよー？

霧生先生来たからちゃんとベットに戻ってねー』

子供達の楽しそうな声が聞こえる病室

『ほらほら…

そんなに騒いでたらまた発作が出ちゃうよ』

ここは
小児喘息の患者さんの病室

発作が出なければ
みんな至って元気

『あ…っ!!純せんせー!!

今日もあれ…くれる？』

『そうだね
いい子にしてたらね？』

子供達のお目当て
あのお菓子型の消ゴム

と

『先生

今日は負けねーかんな!!

カードバトル!!!』

『あははっ…

少しは強くなった？
毎回同じ手は通用しないよ？』

最近はいつも彼と
カードゲームで試合？してる

小学六年生の彼は
ちょっと大人なイケメン君

たまに女の子達がお見舞いに来ては
キャアキャアと楽しそうに騒いでいる

男の子達がお見舞いに来ると
霧生先生も中に混ざって

男子トーク…みたいな事もしてたりして

何を話してるかは
知らないけど

『…っ…今回は…っ

ぜってー負けねー!!』

『…ふーん…

随分自信あるみたいだね

急にどうしたのさ』

彼はキッ…と霧生先生を睨み付けて

すっ…と私に視線を移した

『俺が勝ったら

翠ちゃん、俺とデートして』