君と見た空

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『だって…っ… 先輩…アメリカに行ってたんじゃ…』 『そんなにビックリしないでよ 無事に国際免許取れたから昨年帰って来たんだよ この病院から 新しい医療チームを作るからって オファーがあってね』 クスクス笑いながら 肩を揺らす霧生さん 『昨年…って… そんなに前からこの話があったんですか?』 『当たり前でしょ こんなに大きなプロジェクト 昨日今日に決まるわけないじゃない 莫大な資金が掛かってるんだからさ』 …莫大な…資金? なんなの なんなの…っ 私…そんな事全く知らないよ…っ!? 先輩達の話を聞いてたら 段々…頭が痛くなってきた 『…大丈夫?翠ちゃん』 ……………… 『大…丈夫じゃないです…っ!! ってゆうか、私 つい先月まで何も知らなかったんですよ…っ!? 新しい医療チームの事も そんなに大きなプロジェクトだったって事も!! なんで私なんかが呼ばれたかも…っ!! そんな大プロジェクトの 医療チームなんて 私には ぜーーーったい無理ですから!!』 …はぁはぁ… 先月からずっと思ってた事 …全部言ってやった… 今は先輩達の反応より 満足感でいっぱい 大体この話を聞いたとき すぐに断るべきだった ノコノコこんな所まで来る前に 私は キャリアなんて 望んでいないし 今のままで十分満足してるんだから
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