君と見た空

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『翠ちゃん!! 小学生にデート誘われたってほんと?』 え…っ…? 振り返ると書類を抱えながら パタパタと駆け寄ってくる蘭ちゃん 早いなぁ… もうその話廻ってるんだ… 『うーん… デート…ってゆうか ただの外出の付き添いだよ?』 『えっ…だって 翠ちゃんが 小学生にデートに誘われて 霧生先生がそれをかけて試合したって…』 『…試合…って… ゲームね…』 なんか…話…大きくなってない? 『…にしても あの いつも冷静な霧生先生が 小学生相手に…ねぇ』 『…たまたま機嫌がよくなかったんじゃない?』 私だって驚いたんだから まさか怒るなんて思わなかったし 意外だった あんな霧生先生を見たの 初めてかもしれない あの時 負けないで…って 思わず口から出た言葉は デートと言う名の外出が嫌だったんじゃない 翠ちゃんは 僕の中の特別だよ 昔からよく言ってくれた言葉の意味 霧生先生の気持ちが 少しだけ…見えた気がしたの 『…翠ちゃんて…』 『…え…?』 『霧生先生…好きだよね?』 ……………… 『…どうなんだろうね… 自分でも…よくわからないの あまりにも近すぎて…ってやつ?』 『…そっか…』 好きになったら…苦労する あんなにモテる男性 四六時中不安で 気持ちが休まるはずがない このままの関係が 一番…いい
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