君と見た空

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『翠ちゃん 今の患者さんでおしまい?』 『はい 一人キャンセルになったので 午後の診察は終りです あ…珈琲淹れましょうか?』 『うん、お願いします』 給湯室で珈琲の準備をする翠ちゃんを見ていて 昨日の… OB会の話を思い出した 『ねぇ…翠ちゃん 聞いた?OB会の話』 『…あ…はい 昨日、紗和から聞きました!! 今週末ですよね 霧生先生行きます?』 給湯室からちょこんと顔を出して 『うん…夜勤明けだから行けると思うけど 君は?』 『私は休みだったから 他に予定もなかったし… なんて 皆が聞いたらまたからかわれます 暇人…って』 口を尖らせて 溜め息なんてついて まぁ…確かにね 年頃の女の子が 急な誘いにも乗れちゃうって 皆がからかいそうな話ではあるけど 特に翠ちゃんは 弄られ易いから 想像できて 思わず笑ってしまう 『君は紗和ちゃんと行くの?』 紗和ちゃんは翠ちゃんの同期で親友 っていうか 盟友…か いつも二人で練習しながら笑ってた 『はい、紗和と行きます 霧生先生は?』 『僕は多分…遠藤君と行くかな 遠藤君もその日休みだったみたいだし 鮎さんは 仕事上がりに直接向かうって言ってたから』 『そうですか じゃ…早く着いたらメールしますね 席とって置きます』 『ありがと、そうして じゃ…当日は店でね』 『はいっ』
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