君と見た空

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『よーし…っ 次はカラオケいくぜ~』 何処かから聞こえる テンション上がった声に 拍手が起こる 『カラオケか… 翠…行く?』 『紗和が行くなら』 紗和は暫く周りを見渡して 『…皆行くみたいだから 行こうか』 『うん、いいよ 私…お水買ってから行くから先に出てるね』 『了解~』 ヒラヒラ手を振る紗和に見送られて 一足先に店を出た ちょっと…飲み過ぎた カラオケでは飲まないでおこ… 近くにあったはずのコンビニに向かって ひんやりとした風に当たりながら歩くのは…気持ちがいい 『翠』 …? ……… 後ろから歩いてくるのって… 『佐々木さん? …どうしたんです?』 『…どこ行くんだよ』 『どこ…って… コンビニでお水を買いに…』 『…っ…バカかお前 酔っぱらった女が 一人でフラフラしてんじゃねーよ』 …ん…? 私…怒られてる? …なんで? 『大丈夫ですよー? そこのコンビニですから』 目の前のコンビニを指差して 笑って誤魔化すけど 佐々木さんの目は真剣で 『…お前に何かあったら… 困るんだよ…』 『……………… 確かに…そうですよね… すみません…』 皆に迷惑…かけちゃうもんね 私が…悪いよね… 素直に謝ると 佐々木さんは頭を抱えて 座り込んだ ……何? 『…っ…たく…』 『…はい…?』 『…だぁぁぁ…っ!!』 ………?!?!?! 『…全然っ…わかってねーし!!』 『何が!!』 『…男が心配するっつーのは…っ!! 普通わかるだろ!?』 『わかんない』 『バカやろっ!!』 『何なんですか!!』 『久しぶりに見たお前が!! いい女になってて!! 気になって仕方なかったって事だよ!! んな恥ずかしいこと… 言わせんなよ…』 ……………… これ…は…えっ…と… 『ええっ!? ちょっ…と…待ってください… それって…つ…まり…』 『いい女になったな… …翠』 『…ありがとう…ございます…』 ………… 酔っていた頭は スッキリ覚めて 代わりに 言葉では言い表せない動揺で 心臓が喉から飛び出そう 『お前の中の霧生が 今も変わらず恋愛対照じゃないなら…』 …ナイナラ…?
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