君と見た空

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『翠~ コンビニまで一体どれだけ時間かかってんの!? …っ…て…あれ? 霧生さんと一緒だったんだ』 カラオケ店の前で 寒そうに身体を縮こませて待ってた紗和が 安心したように息をついた 『あ…そうだ 霧生さん!! さっき土谷さんが着いて 霧生さんの事探してましたよ?』 『…僕を? めんどくさいなぁ…』 『めんどくさくても行って下さい 私が伝えなかった事になるのは困るので』 『…わかったよ じゃ…先に中に行ってるからね』 お店の中に入っていく霧生さんを見ながら 無意識に溜め息が出た 『…紗和 ごめんね…遅くなって 心配した?』 『うん… なんかいつの間にか 佐々木さんいなくなってて そのうち霧生さんも見えなくなっちゃったから 翠一緒なのかな…って思ったけど 佐々木さん、さっき 【俺、明日早番だから…】 って帰っちゃったし ……ん…? 翠…何かあった?』 『…え…』 『…泣いた後…みたいな目…してる』 『…そんなことないよ? 風が目を直撃して めちゃくちゃ痛いけどね』 まさか…言えないよ 霧生さんに言われた言葉が ショックだった…なんて ただの妹みたいな存在なのに 私が誰と付き合おうと 霧生さんには関係ない 霧生さんには昔から 周りに可愛い女の子がたくさんいる …そんなのわかってたはずなのに 今更… 何ショック受けてんだろう 気持ち…整理しなきゃ 『紗和… 私… 佐々木さんと… 付き合うかもしれない…』 『はぁっ!?』 『…ほら…っ 早くお店入ろ…っ!! 寒いから!!』 『ちょっと待ってよ どーゆーことか説明してよ!!』 背中から 紗和の叫び声が聞こえる …これで…いいんだよね
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