君と見た空

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《土谷さん…? 遠藤さん…南さん…悠太…くん?》 あれ… なんか…聞いた事あるかも 遠藤さん…って人 霧生さんと同期にいたような… 土谷さんは確か… サークルに顔だしては霧生さんとケンカしてたOB 南さん…は そのまた上のOB…… 試合が近付くと練習を見に来てくれた 悠太…って悠太君かな? 悠太君は私と同じ 看護科の学生でサークルも一緒 いつも医科の先輩達に 可愛がられていた 鮎川さんが出した名前がホントに 全員私の知ってる人だったら なんか…同窓会みたいじゃない? 鮎川さんが言った 私が呼ばれた本当の理由 《顔見知りで医療チームが作りたかった》 ……いいんですか? ……………莫大な資金が掛かってるんじゃないんですか? あ、でも 言葉を変えれば 《よく知ってるから信頼できて仕事もしやすい》 まあ…大事な事ではあるよね うん 一応 私の仕事の評価もしてくれたみたいだけど 私は まだまだそんな評価されるような看護師ではないし でも 大好きだった先輩達との再会は 最初に来たとき感じていた不安を 少しづつ別の感情に変えてくれた …もうここまできたら逃げられない 私は霧生さんの白衣を引っ張った 『霧生さん』 『…ん?』 『…覚悟…してくださいね 私かなり煩い看護師ですよ? しょっちゅうドクターと喧嘩してましたし 私をここに呼んだ事 後で後悔しても…知らないから』 『君の怒った顔も可愛かったよね』 『な…っ!!』 『後悔なんてしないよ? 僕が君を呼びたくて呼んだんだから』 …………//////… 霧生さんは 時々こんな風にドキッとさせる事を言う 馴れてる私でも一瞬… 動揺しちゃう だって 仕方ないじゃない 霧生さんは 顔立ちも声も行動も 全て完璧な人だったから みんなが憧れていた …私もだけど まぁ…憧れてたけど 恋愛感情かって聞かれると そうでもなくて でも 鮎川さんとは 少し違う感じで 変な…感情 ってか…なんで顔が熱いの私!!! そんな私の顔を楽しそうに眺めながら クスクス笑う霧生さんが スッ…っとドアを指差した 『ほら… そろそろ来るよ? プロジェクトの発案者』
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