☆出会いは雨の日☆

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部屋に着き、空気を入れ替えるために少しだけ開けてた鞄のチャックを全開すると、ビックリしたのか中から慌てて飛び出してきた猫 「あっ、ちょっ…」 体をブルブルと震わせると、あっという間にその辺が水浸しになった そもそも、猫に辞めろと言ってもどうにもならないが、こんなことになるなら最初から風呂場に連れて行けばよかったと後悔する 「ほら、行くぞ」 野良猫だからどんな病気を持ってるかも分からないし、何より部屋が汚れる 綺麗に洗ってから… あ…病院、連れて行った方がいいのか? 金あったかな… そんなことを考えながら風呂場のドアを閉め、猫を下ろした 最初は浴槽に飛び乗ったり洗面台に顔を突っ込んだり…と興味津々だった猫も、シャワーの音を聞いてビクッとなり体を硬直させる 体を掴みシャワーを頭から掛けると、すごい勢いで暴れ出した 「ちょっと待てよ。綺麗にしないと…お前汚れてるだろ」 猫に喋りかけても無意味だと思いつつも、必死で逃げ回る猫を捕まえる 爪を出し、右に左に飛び回る猫と格闘していると、ノミが何匹か流れて排水溝に消えていった
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