第一日目 出会い

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第一日目 出会い

こんな学校生活……ヤダな。 そう北原歩は雨の降る道を歩く。 北原は高校に入りイジメられている。 理由は無いが、ただウザいから、であると北原は推測している。 「……ったく。何で僕がこんな目に会うんだよ……」 そう独り言を呟くと、後ろから声をかけられた。 「おーい、きーたーはーらー」 ゾロゾロといつも北原をイジメている連中が曲がり角から出くる。 「な、なんだよ。まだ何か用?」 すると少年は不適に笑う。 「用なんてねーよ。ただ、お前が見えたんで声かけただけだっつー……のっ!」 「いっ……!?」 少年は声と共に大きく足を上げ蹴りを入れる。 北原は腹を抑える形となり、少年達が周りを囲う。 「おー? いてーのか?」 「今からもっと痛くなるだ。これでギブなんて言うなよー?」 「オラッ! いっくぞ!」 北原を囲い、周りの少年達は蹴りをいれ続ける。 「いたっ……や、やめろ……」 その場に崩れ落ち水たまりに膝をつく。 ビチャっと制服が水を吸収し素足に張り付き、気持ち悪い感覚がする。 「もーおネンネかー? つまんねーのー」 「しょーがねーなー。今日はこれくらいにしてやるよ」 「毎回言うけどよー。先公にチクったら、学校に来れなくしてやるからな」 ハッハッハ、と高笑いしながら少年達は北原の下を後にした。 「……っく、くっそぉ!」 ダンッと地面を強く叩く。 痛い感覚が手に残るだけで、気分は何も晴れない。 そのまま起き上がり、落ちている鞄を拾い、帰路につく。
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