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そして、俺が寝ている間に話し合いは順調に進んだようで、久坂に起こされた時には意見が一本に絞られていた。
「へえ、宝探しね」
Sクラスの生徒にしては平凡な意見が出たもんだな。
「どうでしょうか、有栖先生」
「ま、いいと思うよ。ってかお前まで有栖って呼ぶな。」
定着したらどうしてくれる。
「それじゃあ、僕は生徒会役員室へ提出しに行ってきますね」
久坂がそう言うと、クラスのあちこちから声が上がった。
「は?お前が行くとかずりーよ」
「僕だって会長様に会いたい!」
「会長様たちと話せるなら俺に行かせてくれ!」
…おい。
ここ男子校だよな?
ホモしかいないのか?
「お前ら、そんなに生徒会に会いたいのか?」
「ええ、そりゃあ!」
「生徒の憧れですからね!」
マジか。
「へえ。…俺の方が綺麗だと思わないか?」
頬に手を当てて流し目で微笑んでみせる。
「「「っ、きゃああああ!!!!!!!!!!」」」
生徒の半数が倒れてしまった。
そしてあとの半数はトイレに駆け込んでいった。
お前ら一日に何回トイレ行くんだよ。
「よし、久坂たのん……あーあ」
場が落ち着いたので久坂に資料を運ばせようと振り返ると、久坂まで倒れていた。
…。
自分でいうのもなんだが…
俺って、やばいな。
そして、冒頭に戻る。
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