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そして、転校生がやってくる当日。
俺は朝から、片付けないとならない仕事のために職員室へ向かっている途中に…
「ぐ腐腐……ついにこの学園にも王道転校生が…!」
変態を見かけた。
「…桐島。」
「うがっ!有栖せんせー?!」
うがって何だ。
「お前…まだ生徒は各部屋待機の時間帯だろ?何してる…」
「先生見逃してくれ!腐男子たるもの見逃せないイベントがすぐそこに!」
「……」
軽蔑の視線を向ける。
「腐腐腐、こうなったら道連れにしてやる!」
「なっ?!」
突然腕を引かれてよろける。
そしてそのまま、校門のある方へ連れて行かれてしまった。
*
「ったく、なんだよ…。俺は仕事があるんだっつーの。」
「だいじょーぶだよ有栖せんせー。学年主任は有栖せんせーに惚れてるからお仕事なんて見逃してくれるよー」
……俺は何も聞こえない。
「手を離せ。俺は戻「ここが今日から俺が通う学校か!それにしてもでけーな!!!!!!」
ドデカい独り言に言葉を遮られた。
なんだ。
「せんせー、もっとこっち来て隠れてー!それにしてもホンモノの王道を拝める日が来るだなんて!」
興奮した様子の桐島を見て思った。…知り合いだと思われたくない。
でも自称空気が読める男の俺は、その場を飛び出して校舎に戻るなんてことはしない。
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