660人が本棚に入れています
本棚に追加
「なにすんだこの野郎!」
そして甚内は転校生にぶん殴られて伸びた。
まあ、突然キスしたんだ。
殴られて文句は言えないだろうよ。
転校生は甚内を放置してどこかへ走っていった。
放置するのも気が引けたので、右肩に桐島、左肩に甚内を担いで保健室へ向かった。
俺、力持ちだから。
*
「失礼しまーす」
一応声をかけて保健室へ足を踏み入れる。
「あれ?有栖先生じゃないか。どうかしたのかい?」
部屋の奥から、メガネにボサボサ頭の男が現れる。
「こいつら倒れたんでとりあえず処置を頼みます」
近くにあるベットに2人を投げた。
「ああ、桐島くんが鼻血を出して倒れるのはいつものことだから寝かしておけば勝手に起きるからそのままにしておいてくれて構わないよ。」
桐島。
…ドンマイ。
「この子は…生徒会の甚内くんじゃないか。」
「海より深い訳があってこうなったわけですよ、三芳先生」
保健医の三芳和也は苦笑いを浮かべた。
「まあ、聞かないよ」
メガネの奥に隠れた瞳が細められる。
野暮ったい見た目のせいで誤魔化されてはいるが、三芳先生はかなりの美男子だ。
最初のコメントを投稿しよう!