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「耳が…」
ステージから降りて元の位置に戻る。
耳が相当なダメージを受けた。
そしてしばらくして、入学式が終わった。
生徒たちが退場したあと、学年主任にクラス名簿を貰い、担当するクラスへ向かった。
担当は、3-S。
Sクラスは、天才肌の生徒が集まるクラス。
「…何で俺が…」
ニコチンが切れてイライラしてきた俺は、周りに人がいるのも構わず不満を漏らした。
「何だ、Sクラス担当が不満なのか?」
名簿を覗き込んで話しかけてくるのは、3-Aクラス担当の峰岸雄心先生。
「…天才が集まるクラスの担当が俺っておかしいだろー」
「何言ってるんだ。天才には天才振り分けなくてどうするんだよ。」
「だからー、俺は天才じゃねえってー」
「天才じゃなければ数学オリンピックなんて出れないぞ」
「…そんなの、過去のエイコーってやつだろー」
俺はいち教師。
天才だなんだと敬遠されるのはもうたくさんだ。
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