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「聖護院、お疲れ」
「あぁ、監督様。お疲れ様ですわ」
「うちに入ってまだ一週間だけど、すごい活躍だよね」
「いえいえ。そんなことございませんわ」
「パス、シュート、ドリブル、基本的な事はみんなより上だし
スタミナ、テクニックもプロ顔負け。何より凄いのはゴール前」
「皆さんがいいパスを下さるからですわ。私は決めるべき場所をキチンと決めているだけ」
「ずっと聞きたかったけど、前に通ってたチームって相当強い……」
「監督様? 淑女の過去を知りたがる紳士は嫌われますわよ?」
「ご、ごめんなさい」
「それとですわ。その『聖護院』って呼び方、変えていただけませんこと?」
「名前で呼んでってこと?」
「そうですわ。ちかげ、と気軽に声をかけてくださいませ」
「いや、それはちょっと恥ずかしい」
「お願いしますわ。監督様とは、もっと親しくなりたいんですの」
「でもみんなの目もあるし。変な噂が立ったら嫌だろう?」
「わたくしなら平気ですわ。それとも、わたくしとの噂は嫌と?」
「そういうわけじゃ。いやいや、そういう問題じゃなくて!」
「では二人きりの時にだけ、ちかげ、と呼んでくださいまし」
「それもなんかおかしくない?」
「お願いしますわ!」
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