サナギ

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「働かせてください。」 店に着くなり、店長に言った。 店長は驚いた顔をしていたが、人手が足りないのか了承してくれた。 「名前を決めないと。」 ゆっくりと、店長はタバコをくゆらしていた。 色々な名前がでできた。 私には。 少しあわない。 「さなぎ・・・。」 ふっとくちをついてでてしまった。 さなぎから羽化したい。そんな決意と共に、店にきたのだから。 「え?なぎ?」 聞き違えた店長によって、わたしは、「なぎ」になった。 そして、一週間後にはりょうに入る。 女の子は、驚くほど、やさしく迎えてくれた。 こんな世界があったのか。
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