日常

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「あー…大介さん?」 「そう。」 そういえば笹沼さん、最初は彼と同じ機械のこと、多かったっけ。 いつからかあたしになっていたけど。 仲、良さそうだったよね。 「やっぱやめとく?」 「え、なんで?」 「あー…。」 もしかして気を遣ってる? なんて聞かなくても一目瞭然。 暗いからよく見えないけど、絶対目が泳いでいるもの。 「笹沼さん。」 「はい。」 「あたし、お腹空いたですー。」 わざとらしく聞こえるように言った。 きっとこうすれば、笹沼さんはお店を変えたりしない。 笹沼さんは食べたかったデザートを食べられる。 気遣ってくれるのはありがたい。 このくらいなら迷惑だとも思わない。 でも、なんか嫌。そんな気分だった。 早くお店に行って、何事もなかったようにしたかった。 まぁ実際何かしらあったわけではないし。
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