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「了解です。」
笹沼さんはたぶんそんなあたしの何かを悟ってくれたんだと思う。
カーステレオから昔ハマっていたというアマチュアバンドの音楽を流し、その頃の話を聞かせてくれた。
もう彼の名前も話題も出さなかった。
少なくとも今夜別れるまでは。
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「今日はありがとうございました。それじゃあおやすみなさい。」
「こちらこそ。またお願いしますね。おやすみなさい。」
きれいなウインクを披露して笹沼さんは帰って行った。
食事を終えて、アパートに送ってもらったのはぎりぎり日付が変わった後だった。
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