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「ん?なんかあります?
ちゃんと送り届けますから大丈夫ですよ?」
「いえ、そうじゃなくて、大変じゃないですか?
お店、笹沼さんのアパートの方ですし。」
「ははっ。そんなこと気にしなくていいんですよ。
じゃ、問題ないですね?
はい。行きましょう。」
勝手に話をまとめられ、駐車場に向かって歩き出す。
駐車枠は決まっていないため、みんななんとなく定まった自分の定位置に停めている。
あたしと笹沼さんの定位置も入社後数日でなんとなく決まり、出社時刻が大きくずれない限りいつも近くに停まっている。
「じゃあ俺、後ろついていきますね。」
「…はい。」
結局笹沼さんの車1台で行く感じになってしまったので、とりあえず自分の車を置きにマンションへ。
15分ほどで着き駐車したら、枠外で待っている笹沼さんの車へおじゃまする。
「じゃあ、すいませんがお願いします。」
小さく頭を下げ、助手席に乗り込む。
「はーい。」
視界の端に写ったクスリと笑うその顔がなんだかとても柔らかく感じた。
いや、普段もなんだけど、なんだろう?
うん。わからないから気のせいということにしよう。
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