日常

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「やっぱり予定変更。」 「え?」 言うや否や、ウインカーを上げて大きな道に出る。 大きく東西南北で分ければ方角は変わっていないけれど、この道沿いには行く予定のファミレスはない。 「ど、どこ行くの?」 割引チケットの期限は今日まで。 時刻は21時を過ぎたところ。 行かないの? 笹沼さんの表情は、よくわからない。 「内緒です。大丈夫、変なところじゃないから。」 ははっと軽く笑ったその声に、楽しさは感じられなかった。 ** 「はい、到着。」 「…海。」 着いたのは海だった。 車を降りて階段の上から辺りを見渡す。 夏を過ぎたその場所に、時間帯も手伝ってか人気はない。 波も穏やかで、晴れた夜空を写していた。 あたしの好きな空間。 笹沼さんに話したことは、あっただろうか?
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