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「おはようございます、姉御、シャワーはどうでしたか? サッパリできましたか?」
恵に姉御と呼ばれた乱入者は微かに湿った髪の毛を撫でつつ。
「うん、最高だったよ、あと、口元が汚れているぞ」
そっと、恵の唇をなぞりバター砂糖ジャムの混合物を舐めとり、そのまま、口に持っていこうとする。恵がうっとりとした表情で姉御と漏らす。
「待てい、僕を無視して話を進めない、吹子[スイコ]いつから居た? なんでシャワー浴びてサッパリしてんの? ここは君の家かな? 違うよね」
よく見たら僕の中学生時代のジャージ着てるし、至れり尽くせりか? 恵も僕との対応に雲泥の差があるよね。
「うるさいなー、幼なじみなんだからいいだろう? 圭一はまったく、ほら、舐めたいんだろう? 妹ちゃんの唇に塗りたくられた『これ』を」
人差し指に塗りたくられたバター砂糖ジャム混合物を僕の口元に持ってきて、チョイチョイと揺らす。
「舐めたいんだろう? 舐めたまえよ。さぁ、早く」
姉御こと、乱入者は僕と恵の近所に諸事情により一人暮らし中の幼なじみ、佐志吹子[サシ、スイコ]である。妹の恵は吹子のことを姉御と呼び慕い懐いているが、これはいただけないし。僕は知っているのだ、舐めた途端、僕の人権が崩落、変態というレッテルが貼られることも、でも、吹子の細長い指が揺れる、僕の理性も揺れる。
「兄上」
「できるわけないだろ、そんなこと僕にそんな度胸があると思うか?」
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