当たり前な日常である。

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「それでは、姉御、それと兄上、私は友達と待ち合わせがあるのでお先に失礼します」 ビシィッと綺麗に吹子に敬礼した。 「うん、いってらっしゃい。恵ちゃん」 吹子も同じく敬礼を返す、毎度、毎度じゃないけど、なんだこれ、僕もするべきなのかな? 毎回、迷う。兄である僕がついでに扱われてるような、兄上は悲しいです。 学生鞄を抱えてトテトテと玄関に向かう、恵の後ろ姿を見送って、まだ、着慣れない制服のように見えた、五月、恵が高校生になって一カ月くらい、僕と吹子が二年生に進級して同じく一カ月。 恵がまともな人間関係を築けてることに安堵して、僕も身支度しようと隣を向いた。 「いやん、圭一のエッチ」 吹子が下着姿になっていた、引き締まったおへそと豊満なお胸が目の毒だよ、脱ぐの早いな、コノヤロウ!! 何がエッチじゃ。下着の色は黒ですね? 「いやんじゃないよ!! 朝っぱらから何をしてるのかな!? 吹子さん?」 「何って、私も身支度しようと思ってね、恵ちゃんもいないし、圭一の前ならいいかなって、恥ずかしいんだぞ? 圭一だから見せるんだからね」 僕の中学生時代のジャージをその豊満なお胸に押し付けつつ、もじもじと吹子が身体を捩らせる。恥ずかしい? 嘘つけ、絶対的な信頼度かもしれないけどな、僕をからかって楽しんでんだろ?とは、もちろん、言えなくて、度胸もなくて。 「わかったから、早く着替えてこい、制服、持って来てるんだろ?」 精一杯の虚勢を貼り付けて、洗面所に吹子を追い込む、朝っぱらから男子に黒の下着姿はヤバいんです。
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