噂の人

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「あ。そういやさ 司令って何でいつも髪留めしてんだろうな」 一人の祓魔師が食事を食べ終えた頃にふと、思い出したかのように切り出した。 すると周りに居た祓魔師たちも互いの顔を見合せ考えだした。 「・・・・・そう言えば何でだ?」 「単に髪が長いから…とかじゃないのか? 」 「留めるくらいなら切れば良いのにな」 「色々あるんじゃなね?・・・・・ほら司令 名家だしな」 口々に話していると一人の祓魔師がおもむろにその口を開く。 「・・・・・・俺さ。柊さまが髪留めしてない姿って観たことないんだよね。お前ある?」 ふられた者は固まり悩んだ末「ないな」と答え話題は『柊さまの髪留め』に変わっていった。 「オレも此処に来てから一度もないわ」 「それ以前に寧ろ逢うことさえ滅多にねぇしw」 「そうか?俺は任務で逢うわ。でも、うんいつも留めてるわな~」 「浴場も違うしな~」 「・・・・」 「・・・・」 「・・・・」 「・・・・」 「・・・・」 暫く誰も話さず考え込みだした。 すると 「・・・・・なぁおれら誰一人見たときねぇなら他のやつらはどうなんだ?」 「一人くらいいるんじゃね。副司令とか?」 「とにかくみんなに聴いてみようぜ!!」 「あぁ先輩たちならあるだろうしなっ!」 「それじゃ・・・・随時連絡しようぜ♪」 「あぁ。だな」 そう勢いよく言い立ち上がったので、何事かと広間に居た者たちは彼らを観ていたが、本人たちは最早それどころかではなかった。 まるで任務地かのように彼らは其々に別れ駆け出したのだった。 本人に訊けば簡単なのだろうが 何分 張本人は現在、休暇を取らされて居り此処ヴァチカン総本部には居ないのだった。
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