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目覚めたのは保健室だった。
そういえば、体育で倒れたんだ。
時計を見ればすでに五限目が始まっている時間。
体をお越しベッドをでる。
どうやら先生はいないようだ。
のどが渇いていたからそのへんに置いてあるガラスコップを手に取り水道の蛇口を捻り水を汲み、
そしてコップ一杯に汲んだ水を一気にのどに流し込むとスッと喉を冷たい液体が通って心地よい。
だが喉の渇きは癒えなかった。
いくら水を飲んでもこの渇きは癒えないことを知っている。
暫く飲んでいなかったし、もしかしたら倒れた原因はこれかもしれない。
家に帰ろうかな。
ここで耐えていたって辛いだけだし。
飲み干して空いたグラスを濯いで元あった場所にもどした。
教室戻って鞄とってこなくちゃ。
動くのが億劫だが怠いからだを持ち上げ保健室を出ようと入り口に向かった。
「あれ…?雛方。」
「佐藤……」
なんてタイミングの悪い。
「大丈夫か?倒れたって聞いたけど。」
「うん。日光にやられただけだ。」
「熱射病とか気をつけないと。お前あんまり水分とらないんだし。」
「うん。」
「ちゃんと水分とったのか?」
「さっき飲んだ。」
オカンみたいなことを言う。
佐藤は隣のクラスのヤツで、仲がいいのかと言われればそうかもしれないしそうでないかもしれない。
俺はあまり口がうまい方ではなくて、うっかり口から零れるといけないからとりあえずボロを出さないために、うんとか、短く切って話て適当に流す。
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