死ぬ勇気のない僕に死神がとり憑いた。

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もうずっと一人暮らしだから、 この部屋に人が、 死神だけど。 誰かといるってかなり違和感。 電気割れちゃったから、 蝋燭つけたらすごい喜んで、 けどすぐに ふーーッて消しちゃって。 僕がつけて、ふーーーッ またつけて、ふーーーーッ またつけて、ふーーーーッ つけるの面倒になったから、 ライターを差し出した。 そしたらプイプイプイプイて 顔を振ってた。 仕方なくまたつけて、ふーーーーッ もう、かれこれ2時間。 疲れたしビール持ってきて プシュて音させたら 飛び上がって壁に張り付いた。 「きみも飲む?」 差し出すと近寄ってきて、 黒い服の裾がわささささって揺れ出して。 「キサマコノワシヲフウジルキカー」 近からず遠からず? 「じゃあこれは?」 て、オレンジジュースあげたら、 両手でペットボトル持って コク……コク……コク…コク… コクコクコクコクコクコクコクコクコク 「一気飲み!?」 ぷはーーーーーって顔 死神なのに すごい健康的。
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