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目を開けると、
すでに外は明るかった。
部屋には誰もいなくて。
またいつも通り。
夢? だったのかな。
そりゃそうか、と触った頭は
久々の洗髪で
すっごい寝癖。
天井にぶら下がった
割れた蛍光灯。
「仕方ない、買い直すか……」
え?
テーブルには親指よりも短い
くたびれた蝋燭。
ではどこに?
どこにいるの僕の死神!?
僕のじゃないけど。
もしかして、
仕事にいった?
てことは、いまごろ
誰か殺してんの?
よっこらせっと、
筋肉痛の足
ますます働く意欲がなくなった。
膀胱が悲鳴あげてる。
なのでユニットバス
ではなくて、古いクセに
古いから?
我が家自慢のバス・トイレ別
おととい括った紐が
ノブにデレーーンてある。
まあ、時期に使うよ
だからこのまま。
ドアを開けると洋式トイレ
に黒い塊!?
音にならないビクッ!!を出して
声にならないヒイッ!!の表情
でも、座る向きが逆
慌てて扉閉めたけど。
ちゃんと、流せるのかな……
じゃなくて、
「ごめん! 知らなくて!」
そしたら
ガタガタ揺れるドアと壁
「みーたーなー」
て、可愛らしい女の子の震える声
動揺を隠しきれない模様。
「ほんとごめんなさい」
その場から逃げた。
僕の膀胱も結構限界。
でも少し、
安心しちゃってる。
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