二日目

7/8
前へ
/52ページ
次へ
家に入った途端 汗がブワーってなる。 まるで蒸し風呂。 換気扇回して、 窓全開にして、 パンツ一丁。 あ、 ひとりじゃないんだ、 ひとりなんだけど。 両手で顔おおってた。 「ごめん」 仕方なくTシャツだけ着とく? いや、ズボンも履くべき? わからないから。 「きみも脱げばいいよ」 顔隠したまま、 「バカなの!? なんなの!?」 新品の鎌がビュビュビュン!!て でも、避けれちゃた。 というか狙ってない? これって愛? とりあえず両方着た。 あー、暑い。 あー、死にたい。 たぶん口癖になってる。 ふたつでひとつ。 死神が座ってる姿って 黒いスライムみたい。 俯いてて表情は分からないけど、 鼻筋をツ――――って汗が光ってる。 こんなとこ、 居たくないよね。 僕なら、居たくない。 「なんで居るの?」 「……仕事だから」 だよね。 仕事熱心だもんね。 知ってるよ。 「見て」って 穴の開いたテーブルに手のひら。 なんか書いてある。 読めないけど。 たぶん五文字くらい。 「私にも読めないの、でも私の名前」 なるほど。ん?  よくわからない。 「契約主が持ってるの、だから読めない」 なるほど。 で、もう片方の手のひら。 たぶん『12』 「13日あるの……私の期限」 「過ぎたらどうなるの?」 「あなたは死ぬ」 「君は?」 「知らない」 とりあえず消しゴムで擦ってみた。 「痛い!痛い!痛い!! あんたバカなの!?」 すごい剣幕。 はじめてかも こんなに怒ってるとこ。 「……消えるわけないよ」 途端にしおらしい、 というか、諦め感。 大の字でうつ伏せ。 怖いから。 「やってくれ!!」
/52ページ

最初のコメントを投稿しよう!

29人が本棚に入れています
本棚に追加