五日目

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昼食をとった昼下がり ゴロゴロしながら眺める 壁に掛けられた黒い服と 胡坐でふわふわする彼女。 浮遊する黒い中では胡坐なんだ。 はじめて知った。 鎌は、というと、 最近めっきり出番を失って 押入れの中に入りっぱなし。 この状況で思うこと、 彼女に違う何かを着せてみたい。 万人が そう考えるよね。 うん、 きっと考える。 たとえば、どんな? フリフリスカート? でもそれなら 下着も買ってあげないと、 秘密の花園がワーーって。 ムリ、買えない。 そんな勇気あったら とっくに自殺成功してる。 じゃあ、 スリムなパンツ? ゴスロリ? メイド服? そりゃないか。 痛む身体に鞭うって起き上がる。 それくらいの価値はある。 「ちょっとさ、出かけようか」 そう言ったら、 なんで? いつからこうなった? 「どこにー、どこにー」 て、僕の背中にしがみついてきた。 嬉しい。 けど、 とり憑かれてる絵まんま。
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