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やっぱり僕は、
この国の住人には勝てない。
ベンチに座ってぼーーっとしてる
夢の国には不釣り合いな男。
でもいいさ。
彼女はヒューーって僕のとこにきて
「アレの中ねー、人間入ってたー」
「それは言っちゃだめなんだよ」
「なんでー、なんでー」
そんなこんなで宴もたけなわ。
海に浮かぶ華麗な船。
水しぶきをあげて疾走する水上バイク。
少し高台に場所がとれて
今度は僕が、
彼女の背中にしがみついてる。
「あのネズミすごいんだねー」
て、こっち向いた。
花火が街一面を照らし出すと、
彼女のラベンダーな髪が、
より一層きらびやかに映し出され、
彼女の横顔は、
その正体とは裏腹に、
まるで天使とか女神とか、
そんな感じ。
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