行方

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ふと、伊織が呟いた。 「腹減った…。」 兄貴が言う。 「俺も…。」 お前らは犬以下か。 そう突っ込みたいところを耐えた。 「伊織はまだしも、兄貴ならこういう時どうすべきか考えなよ。」 あたしはそう言って、兄貴を少し睨んだ。 兄貴は少し、しょんぼりとしてしまった。 まあ、兄貴には反省してもらおうか。 「これからどうするかな…。」 両親の行方不明に、あたしは途方にくれた。
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