第一章/彼女の帰還

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女の子/理樹君。 理樹/なんで僕の名前を? 女の子/覚えてるに決まってるじゃない。 あれ?この声どこかで聞いたことあるような。 でも、そんなことありえない。 女の子/まさか、私を忘れちゃったの? もう、鈍感なんだから、これでいい? 彼女は布団をはぎ顔を見せてくれた。 理樹/ま、まさか、そんなことって。 なんで、なんで生きてるんだよ。 あの時死んだとばかり思ってたんだよ! そう、やっぱり彼女だった。 朱鷺所沙耶。あのダンジョンで死んだとばかり思ってた子である。 沙耶/今まで連絡できなくてごめんね。 本当はあの後学校には行ったの。でも、あなたの落ち込み具合から見て話しかけられる状態じゃなかったし。 理樹/生きてるなら、安否くらい教えてくれてもよかったのに! しかもなんで服がそんなにボロボロなんだよ。 沙耶/あのダンジョンの時、生物兵器の犠牲になった筈だったのに生きてるのも奇跡としか言えないわ。 今まで連絡できなくてごめんなさい。上に止められてたの。 服がボロボロなのはこの格好で一ヶ月程サバイバル生活をしてたから、 元気がないのは一週間くらい何も食べてないのよ。
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