地の刻(2日目)

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しかし、三神静の考えは違うようだ。 「あちらのチームに本当に冬馬瑞季がいるなら、黙って傍観してるはずがない…彼女は必ず何か手を打ってくるはず。」 確かにそう。 もし、あたし達が何も出来なかった場合、ルールによれば全滅なのである。 全滅=死ということになるのかな…いまいち、実感が出来ないけれど。 「てかさ、どうする訳よ、実際? …うちらこのゲームから降りる権利もないわけでしょ? みんなはマジでやんのかよ?こんな狂気としか思えないゲーム…」 鳥澤はドカッと椅子に座ると深い溜め息をつく。 「…そうね。ゲームに参加するってことは、つまり、その時点で我々が、このゲームの運営側に白旗を振ったことになる。…なんかムカつく。」 三神は爪を噛んだ。 あたし達は、一体何故、こんなゲームになかば強制的に参加せねばならないのか? こんな理不尽があるのだろうか? 「ねぇ…」 猪ノ瀬が思い出したように言った。 「遅くないか?委員長とかいう子。」 「!!」 その言葉に、三神は弾かれたように立ち上がった。 三神が動き出す前に、影堂カナが風のように走る。 "丑"の部屋だ。 やや遅れて、あたしと鳥澤、猪ノ瀬が部屋の前に到着する。 カナは自分のカードでドアを開けた。 ロックされてなかったらしく、ドアはスーッと開く。 「チッ、やられた!」 三神が舌打ちする。 「マジかよ…これ!マジでやったのかよ!!信じらんねぇ…」 鳥澤楓は突然両手で口を押さえると、そのままその場にうずくまった。 「だ…大丈夫?」 あたしは彼女の背中をさする。 「あ、ありがと…見ない方がいいかも…あんたは…」 遅かった。 まず先に、あたしの目に映ったのは、生白い2本の棒のようなもの。 空中にユラユラ揺れていた。 それが人間の脚だと分かるのに、時間はかからなかった。 さらに上を見上げると、委員長…牛久実香の変わり果てた姿がそこにあった。 「な…」 何故? 「こ…」 こんな…こんな事が、許されるの? どうして委員長は、宙にぶら下がっているの… どうして、こんな目に遭わないといけないの…? どうして!? 「おかしいよ…こんなの。酷すぎるよ…こんな…」
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