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あたしが罪悪感を持つ必要はないはず。
「ね…行こう…?」
無理だ。カナはあたしの言うことなんか聞くもんか。
そう思った瞬間、カナがゆっくりと動いた。
靴を履くと、ベッドから立ち上がる。
あたしより背が低い。目が隠れるほど長い前髪が、かすかに揺れた。
カナの視線が一瞬、あたしを捉えたが、相変わらず何の感情も読み取れなかった。
中央ホールにはあたしを含め、全部で6人の女生徒が集まった。
この部屋の中央には長いテーブルが置かれてあり、椅子が3脚ずつ向かい合うように並べられていた。
学園の会議室を思い出す。
もっとも、椅子に腰掛けているのは一人だけ。
長い脚を組み、あたしたちを値踏みでもするかのように遠慮なくジロジロ眺めているのは、学園内でも有名な嫌われ者の三神静(みかみしずか)。
成績が良くて美人ってだけなら妬みとも思われようが、彼女の場合、性格がかなりネジ曲がっていて、そこが嫌われ者と呼ばれる所以である。
「…これ。待ってる間にざっと目を通した。」
三神は常に面白くなさそうな顔をしているが、今日はさらにひどい。
持っていた封筒のようなものをテーブルの上に投げ付けた。
「…馬鹿にしてる。」
「中身読んだの?こういうのはさー、一応相談してから…」
金髪が意見しようとすると、三神の目がつり上がった。
「私より先に読んだ奴いるでしょ?封が切られてたわ、最初から。
…委員長、あんた私より先にここにいたよね?」
「な、何も知りません私…!!封筒がある事にも気がつかなかったし…。」
急に三神に凄まれ、委員長は真っ青になる。
「本当よ!そんな気持ちの余裕なんかないわ!宇崎さん!信じてくれるわよね?」
あたしは正直どちらでも良かった。
何の封筒か知らないけど、誰が先に読もうが関係ない。
三神だって勝手に読んでたじゃないか。
だけど委員長の慌てぶりがあまりに哀れなので、あたしは頷き、委員長に同意した。
「…委員長はそういう事しないと思う。理由はないけど、そういう人だと思う。」
我ながら説得力に欠ける答えだ。
でも委員長は少し落ち着きを取り戻したようだ。
「宇崎さん、ありがとう…。私はそんな協調性のないことは絶対にしませんわ。」
三神に対する皮肉もこもっていたが、彼女は口角を少し上げて笑った。
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