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「あ…あいつら…ゾンビだよな…?」
匠が震えた声で言った。
「あぁ、ゾンビだろうな…最悪だ畜生!」
「なんでこんな…。一時間前には呑気に過ごしてたのに…。」
…チャ……グチャッ グヂャッ ブチッ
「…ッ!」
家の奥から不気味で生々しい音が聞こえる…。もしかして……ゾンビがいるのか?
心臓が暴れ回るように鳴る。
二人も固まっている。
そういえば、母さんは…?
今日は仕事休みで家にいたはず…だよな…。
俺は立ち上がりリビングに向かって歩きだす。
二人はとめようとしない。 いや、恐怖で動けないんだ。
俺は動けた。 音の正体を確認しに行く。
大体見当はついていた。 いや…まさか…。認めたくないだけだった。
リビングの端には…。
子供のゾンビに喰われている俺の母親がいた。
嘘だ。
母さん…。
子供ゾンビはこちらに気付き歩き始めた。
母さんは動かない。
「母さ…ん」
「祐治ィ!」
キッチンにあった包丁を持った光一が助けに入る。
そして俺の目の前にいた子供ゾンビを蹴り飛ばし距離を取る。
子供ゾンビは母さんの横に吹っ飛んだ。
「殺るしか…ない。」
光一は包丁を構えた。
手は震え声も震えていた。
「っ!やったらぁぁぁ!」
光一は子供ゾンビを足で踏みつけてから頭に包丁を突き刺した。
ドスッ! 鈍い音がしたころには子供ゾンビの頭に包丁が刺さっていた。
しばらく痙攣した後動かなくなった。
「祐治!大丈夫だったか?」
俺の頭には二人の言葉は入ってきていない。
倒れている母さんの元にいく。
頭は胴体から離れ腹から臓器が飛び出していた。
「うっ…」二人は吐きそうになったが俺は無表情で母さんの亡骸を見ていた。
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