序幕

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気持ち、悪い…… 頭なのか、目なのか、意識なのか とにかく景色が目まぐるしく、ぐるぐると回っていて 景色というか、記憶の映像というべきか。 表現に困るものだけれど、とにかく気持ち悪い。 もう随分と口に物を運んでいないから、吐きたくても吐けない。 それもとても気持ち悪いの。 笑い声から、偽りの仮面から、おどろおどろしい目線から逃げたくて 必死に脚を動かしているのだから、今私がどこにいるかも分からない。 でもなんとなく、確かにあの場所へ向かっている気がする。 きっとそこへ辿り着くことが出来たのなら、私はこの苦しみから解放されるだろう。 だから早く、お願いだから早く私を――――!!
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