*第2章*

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 *** 「よし、終わったー。」 時間通りに仕事が終わり、 里佳の連絡を待ちながら 帰る支度を始めた。 支度も終え、 帰ろうと席を立った時だった。 「高橋さん!」 そう声をかけてきたのは 河村さんだった。 「どうかしましたか?」 そう尋ねると申し訳なさそうな顔で 実は、と話しはじめた。 「明日の会議で使う資料 手伝ってくれないかな?」 河村さんは顔の前で手を合わせ お願いだよ、と頼みこんできた。 トラブルの処理に追われ 未だに手がつけられていないという。 これは仕方ないよね。 里佳も事情を話せばわかってくれるだろう。 手伝うことに決め、河村さんに わかりました、と言おうとしたとき ある人の声に遮られた。 .
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