1.藍色 森川美尋

4/54
前へ
/55ページ
次へ
「なんでって、私先輩のこと好きでもないし、彼氏もいらないし、まず恋愛とかよくわからないから」 そう言い放った私に対して、優菜子は諦めたようにため息をついた。 「そうだよねぇ、美尋恋愛とかまったく興味ないもんねぇ。きれいだしモテるのに…、まあ今に始まったことじゃないか…」 優菜子の言う通り、生まれてから16年間、私は人に恋愛感情を持ったことがない。 優菜子のように「あの人かっこいい!」とか、「あの先輩タイプ!」とか、そういう物すら一切ない。 そもそも異性に対して無関心なのだ。 男友達というものすら私にはいないし、男子と話すのはクラスメイトに用がある時くらいだ。
/55ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加