1.藍色 森川美尋

6/54
前へ
/55ページ
次へ
かわりに読むのはドロドロの推理小説ばかりだ。 推理小説の方が現実味がないじゃないか、と優菜子にはいつもギャーギャー言われている。 けど、推理小説の中には人間臭い人ばかり出てくるから、私は推理小説が好きなのだ。 自分を偽っている登場人物達の本性が暴かれていくこと、みんなが私利私欲のために動いていくこと。 そこに私は人間らしさを感じてしまうし、完璧な人はいないんだと納得してしまう。 そして、そんな自分は主観的に見ても客観的に見ても、ちっともかわいげがない女だということはわかっている。 それを優菜子に言ったときに言われた言葉。 「美尋も誰かに恋をすれば変わるよ!」
/55ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加