頼み事

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翔一の誕生日は、毎年学校の中間考査の期間と被る。 去年は考査明けにプレゼントを渡したのだが、今年は「お菓子」を買ってしまったので、考査期間中に渡してしまおうと思いたち、友人の琉凜蝶(以下るりー)とミサちゃんを引き連れて2年生のクラスへ殴り込んだ。 が、 私「…ショウって、何組だったっけ?」 る・ミ「おいっ!」 不覚にも、ド忘れだった。 しばらく探し回ったが翔一に会えず、諦めかけていた時。 ふと覗きこんだ教室に、武の姿を発見!← 私「武~!」 幸いにも、武はすぐに気づいてくれた。 私「これ、ショウに渡してくれ!フライングハッピーバースデーって。」 武「了解ですっ!」 私「すまんな、頼む。」 翔一へのプレゼントを武に託すと、私はくるりと踵を返した。 と。 突然、真後ろでるりーとミサちゃんが吹き出した。 私「え、何?」 ミ「いっ、今…」 二人とも腹を抱えて笑い出したので、何が何だかさっぱりわからない。 私が困惑しきっていると、笑いを堪えつつ二人は何があったのか話してくれた。 武は私に向かって敬礼したらしい。 しかし、それは私が踵を返した直後だったため、武のその姿を見てやらなくてはならないはずの私が全くそれを把握していない状態になってしまった。そのタイミングがあまりにも良すぎて、思わず笑ってしまったのだとか。 …まさかそんなことで笑われるとは、という気分である。 私にとってそれは、まさに「日常茶飯事」だったからだ。 ちなみに、この話を友人のみつぱにしたところ、 み「場面によってはかっこいいよね、それ。」 という内容の話にいつの間にかすり替わってしまったから驚きである(笑)
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