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――うォおおおおおおおっ!
鬨の声をあげて、兵たちは突撃した。
先行部隊が築いた橋頭堡へと散開していく。だが水際は、敵にとっても格好の迎撃ポイントだった。
狙いすました射撃によって少なからぬ損害を受ける。
それでも、押しきる。
陸を踏みしめると、男は――まず足を、それから下半身、上半身、そして最後に義肢を備えた右腕をたしかめて、その手を高々と掲げた。
まさに腕に大砲をとりつけた、そんな印象の重量感だ。鈍重そうな外観とか裏腹に、組みこまれた機械部品が生みだす腕部のモーション、先端の三ツ又のクローの動作は精緻を極めていた。鉄の鎧を空き缶のように握りつぶすこともできれば、卵の殻をやさしく割ることもできた。
“バトルスマッシャー”
右腕の義肢につけた名だ。
海軍さえ、この男の名を聞けば、恐れをいだくだろう。
なぜなら男は……。
「ぬうァああああああああっ!」
地面を蹴った。
島を守備する海兵部隊めがけて、単身、男は突貫した。
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