777人が本棚に入れています
本棚に追加
/450ページ
一夜明け、半壊した家屋で休眠を取った3人。
固いコンクリートに毛布を敷いて寝たせいで、リュウセイとガウの身体はギシギシと軋んでいた。
「あれ?
クオンはどこに行った?」
「さあ?
散歩でも行ったんじゃない?」
寝ぼけ眼で目を擦りながら周囲を見回し、クオンの姿がないことに気付いた2人はクオンを捜しに屋外へ出た。
だが捜すまでもなくクオンの姿はあっさり見つかる。
家屋を出てすぐ、陽光を一身に浴びるクオン。
だが声を掛けることは出来なかった。
いや、正確には声を掛けることさえ忘れていた。
人間を喰らっていたから。
最初のコメントを投稿しよう!